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2014年 12月 10日

イタリア近現代史研究会12月会報

イタリア近現代史研究会12月会報
1)12月例会について
報告者:石田憲会員
日時:12月13日(土)午後三時より 
場所:拓殖大学茗荷谷キャンパス C館510教室
<テーマと報告の狙い>
民主共和国への孤独な判走者 ウンベルト・テッラチーニとその周辺
テッラチーニは、制憲議会議長として、イタリア共和国憲法の第一署名者でありながら、単なる象徴的な「共和国の父」というパンテオンに祭り上げられ、研究が殆どなされてこなかった。共産党からの「除名」を被りながら、「異端派」、「難しく、やっかいな」共産主義者として、党史の中でも、微妙な位置づけがされてきた。この人物を、彼の周辺にいた人々と合わせ考えながら、民主共和国に向かうイタリア現代史の軌跡を示す一例として考察してみたい。本報告では、恐らく時間の関係から、オルディネ・ヌォヴォ・グループ、コミンテルン、オッソラ共和国との関係などを見ながら、憲法制定へと向かっていく過程を検証していく。
(報告の概要と参考文献は例会当日に配布致します)
2)11月例会の記録
日時; 11月22日(土)午後3時より
場所: 拓殖大学茗荷谷キャンパス C館510教室
報告者;柴野均会員 
テーマ;エミリオ・ルッス再論
3)忘年会
日時:12月13日(土)午後5時30分より
場所」イタリア料理店「ラ・クローチェ」茗荷谷駅のすぐそば


# by storia-italiana | 2014-12-10 22:52
2014年 11月 08日

イタリア近現代史研究会11月会報

(1)11月例会のお知らせ
日時; 11月22日(土)午後3時より
場所: 拓殖大学茗荷谷キャンパス C館510教室
報告者;柴野均会員
テーマ;エミリオ・ルッス再論
【報告の狙い・目指すもの】
今年が開戦百周年ということで、第一次世界大戦関係の研究や史料が大量に発表されており、数年はこの状態が続くものと思われる。そうした動きのなかでイタリア戦線の記録としてEmilio Lussu, Un anno sull’Altipianoも新しい英訳が今年刊行されており、第一次世界大戦の古典的な史料として評価も高いようだ。2001年に刊行された拙訳もその後もときおり版を重ね、いまだに絶版にならずに生き残っている。
今から20年ほど前、あの翻訳の作業をしていた頃からルッスについては気になっていて、こういう人物がどのように自己形成を遂げていったのか、それがイタリア現代史の流れのなかでどのように変わっていくのかを考えていた。ルッスに関してはかつて一度論文として取りあげたことがあるが、それをもう少し敷衍しながら論じてみたい。
【報告の概要】
はじめに
1.幼少年期 ー サルデーニャの世界
2.第一次世界大戦 ー 「伝説」の形成
3.サルデーニャ行動党から流刑へ ー 反ファシズムの戦い
4.亡命生活 ー 著作と政治活動
5.戦後のルッス ー 時代と思想

(2)12月例会の予告
日時; 12月13日(土)午後3時より*
場所; 拓殖大学茗荷谷キャンパス C館510教室
報告者;石田憲会員
テーマ;未定
  *研究会終了後に恒例の忘年会を行います。

# by storia-italiana | 2014-11-08 10:24
2014年 10月 06日

イタリア近現代史研究会10月例会

イタリア近現代史研究会 10月会報
(1)9月27・28日の両日、拓殖大学茗荷谷キャンパスで「ナポレオン時代のイタリア」を統一テーマに、2014年度全国大会が開催されました。出席者が50人に迫る盛況でした。報告者が執筆する「報告を終えて」は11月会報に掲載されます。
(2)総会の審議・議決事項
* 27日の総会第1部(出席者は第1セッションと同じ)で事務局から会費未納者の処遇の問題が提起され、とりあえず3年度以上未納(最後の納入が2012年3月かそれより前)でありながら会報を送付されている人を対象に、次のような通知を個別に送ることが決まりました。
① 最後の払い込みがあった年度(あるいは年月日)
② 2015年3月31日までに会費納入がない場合は、2015年4月1日以後の会員資格を失う
③ 納入額は、滞納年数および現在の職に関係なく一律に6,000円とする
④ 上記の納入があった場合、2013年度まで会費が払われたとみなす。
*28日の総会第2部(出席者は第4セッションと同じ)で、2013年度の決算について前事務局の小山会員から資料をもとに報告があり、承認されました。また今年度の予算執行状況について、現事務局の田島会員から説明がありました。
*同じく28日の総会で来年度の全国大会について議論が行われ、本決定ではないものの、大略以下の方向が確認されました。
① 開催地は関西とし、会場は甲南大学を有力候補とする
② 統一テーマとしては、「第一次大戦への参戦(運動)」を有力候補とし、これに次いで「『ルネサンス以後』のフィレンツェ」も候補とする。ただしこれら以外のテーマも引き続き検討する

(3)10月例会のお知らせ
日時;10月18日(土) 午後3時より
会場;明治大学駿河台校舎リバティータワー16階1164号室
【注意!】事情により前回のお知らせから場所が変わりました、ご注意ください。
報告者;辻 昌宏 会員
報告テーマ;プッチーニとヴェルディにおけるリブレットの諸問題ー『ラ・ボエーム』と『リゴレット』を中心に
【報告のねらい】  オペラのリブレット(脚本)自体が近年になってようやく本格的に研究されるようになってきた。オペラのリブレットは何が問題となりうるのか、どんなことが論じられるか。特にヴェルディやプッチーニの場合にはどんな問題があるのかを論じる。
【報告の概要】 リブレットをめぐる問題としては
(1) リブレットがどんな形式で書かれているのか 
(2)リブレッティスタと作曲家がどのようにテクストを改稿しつつ完成させていくのか、両者の関係 
(3)リブレットとスコアの関係 (4)当局による事前のリブレットの検閲の問題などがある。今回の報告では、プッチーニの《ラ・ボエーム》のリブレットの改稿過程と、ヴェルディの《リゴレット》と《仮面舞踏会》における検閲を取り上げ、どういう点が検閲でひっかかり、どう修正したかをたどる。

11月例会のお知らせ
日時;11月22日(土)午後3時より
場所;未定(おそらく拓殖大学茗荷谷キャンパス)
報告者;柴野均会員 報告テーマ;エミリオ・ルッス再論

# by storia-italiana | 2014-10-06 12:31
2014年 09月 15日

イタリア近現代史研究会全国大会

全国大会のご案内を致します。
(1)全国大会の概要
前回の予告から変更された点がありますので、ご注意ください。
最大の変更は、初日の開始時刻が13時30分になったことです。

日時 
9月27日(土)13時30分~17時50分
9月28日(日)10時~16時
場所 拓殖大学 茗荷谷キャンパス (地下鉄丸ノ内線 茗荷谷駅から徒歩5分) 
       F館(国際教育会館)301教室(両日とも)
          http://www.takushoku-u.ac.jp/map/bunkyo.html
プログラム
27日(土) 
13時30分~15時20分 中村勝巳会員
題目; V.アルフィエーリのカトリシズム批判―『専制政治論』(1800-01)を中心に―

【報告の目的】リソルジメントに先駆けるプロト・ロマン主義思想の一事例としてアルフィエーリの政治思想、とりわけ彼のカトリシズム批判を取りあげる。 その際に、ピエロ・ゴベッティ『ヴィットリオ・アルフィエーリの政治哲学』(ゴベッティ出版、1923)とウンベルト・カロッソ『ヴィットリオ・アルフィ エーリのアナーキー』(ラテルツァ出版、1924)など、ファシズム台頭期に登場したアルフィエーリ論を参照して、当時のアルフィエーリの再検討が、リソルジメント史の見直し、ファシズム批判といった1920年代前半の時代的な課題により促されたものであったことを確認する。以上のことを通じて、ナポレオン時代のイタリアとその後の思潮にアルフィエーリが与えた影響について考察する。

15時30分~17時20分 奥田敬会員
題目;〈Economia Civile〉への挽歌―ルーカ・デ・サムエーレ・カニャッツィとナポリ啓蒙

【報告のねらい】 今世紀になって俄に/漸く英語圏でもイタリア(とりわけナポリ)の啓蒙と経済学への関心が高まりつつある。例えば、「経済学 political economy」こそが《国民的コンテクストを超えて》人間の条件の改善に努めたコスモポリタン的な知的・政治的運動としての「啓蒙のアイデンティティの 核心」と捉えるロバートソンは、18世紀半ばのヨーロッパ世界の南北の両端で同時に開幕した双幅の啓蒙に、その模範的な達成を見定めようとする (Robertson, John, The Case for the Enlightenment: Scotland and Naples 1680-1760, Cambridge U.P., 2005)。
また、《19世紀の歴史家たちは、classical “happy” Italian Civil Economyを“wealthy” English Political Economyに対置するのが通例であった》と主張するブルーニは、「市場」での〈交換→効率〉や「政府」による〈再分配→公平〉だけに留まらない、 NGOやNPO等の「第3セクター」に担われる〈互酬性→幸福〉の領域としての「市民社会(結社)」をも包括した〈経済学economia civile〉の再生を呼びかける(Bruni, Luigino, Civil Happiness: Economics and human flourishing in historical perspectives, Routledge, 2006)。だが、ロバートソンは啓蒙の終演については口を濁しがちだし、ブルーニが復権を急ぐ「ジェノヴェージ的伝統」はいささか超歴史的な印象を拭い きれない。PatriotismとCosmopolitanismが背中合わせであった改革の18世紀に誕生した〈啓蒙の経済学〉が、 InternationalismとNationalismが背離してゆく革命の19世紀に「経済学」の啓蒙へと変容する―その転換期がナポレオン時代で はなかろうか。その連続と断絶の両面を一身に体現した人物として―なぜかDavis, John A., Naples and Napoleon: Southern Italy and the European Revolution1780-1860,Oxford U.P., 2006には登場しないのだが―19世紀前半の南イタリアの最大の経済学者とされるカニャッツィに注目したい。

17時30分~17時50分 総会(第1部)
18時~懇親会 「庄屋日本海」 茗荷谷駅改札のすぐそばに、店(地階)への階段があります。
懇親会の出欠を至急、事務局までお送りください。

28日(日)
10時~11時50分 森口京子会員
題目;ナポレオン時代の地方行政
*レジュメ等は当日に配布します

13時~14時50分  小谷眞男会員
題目;”diritto comune”の危機と法律家たち―”diritto penale”言説の検証―

【報告のねらい】 本報告の役回りは、イタリア法文化史の立場からナポレオン期について再考することである。ナポレオン期と言えば、“diritto comune(普通法)の危機“codificazioni(法典編纂)” の時代であり、“diritto nazionale/statale” 観念の生成期ということになろう。実際「イタリア法」とか「ドイツ法」というようなナショナルな観念の形成を考える場合、ナポレオン期が重要なステップであることは疑いない。当時のイタリアでの用語法に即して言うなら “diritto patrio” 言説の勃興である。本報告は、ナポレオン期のイタリア法文化にアプローチするに際して、法典編纂などの実定法の歴史という角度からではなく、この時代を身をもって生きた3人の法律家たちの当時の著述を取り上げ、そこに立ち現れる “diritto patrio” という言説の内実について、とくにローマ法との関係に注意を払いつつ、検証を試みる。
<報告の概要>および<主要参考文献>別途ファイル1点参照(kotanisommario/bibliografia.pdf)
<添付資料>(表2点)
別途ファイル2点参照(kotanicodici.pdf, kotanigiuristi.pdf)

** 森口会員の報告と小谷会員の報告は順番が入れ替わる可能性があります。予めご了承ください。

15時~15時50分 総会(第2部)  

(2)10月例会の予告
日時  10月18日(土) 15時~
場所  拓殖大学茗荷谷キャンパス F館(国際教育会館)301教室
報告者 辻昌宏会員
題目  ヴェルディのオペラ作品のリブレットの諸問題 ―『リゴレット』の検閲を中心に― 

# by storia-italiana | 2014-09-15 10:13
2014年 07月 06日

イタリア近現代史研究会全国大会

全国大会の概要
*統一テーマ:ナポレオン時代のイタリア
*場所:拓殖大学茗荷谷キャンパス
使用する部屋は9月会報でお知らせします

*日時と報告者:
9月27日(土)
13時〜14時50分 中村勝巳会員 「V.アルフィエーリのカトリシズム批判」
15時〜16時50分 奥田敬会員 
「ルーカ・デ・サムエーレ・カニャッツィとナポリ啓蒙の黄昏」
17時〜17時50分 総会
18時〜     懇親会

9月28日(日)
10時〜11時50分 森口京子会員 「ナポレオン時代の地方行政」
13時〜14時50分 小谷眞男会員 「ローマ法の危機とdiritto nazionaleの生成」

 報告題名はいずれも仮題で、変更される場合があります
「報告のねらい」「報告の概要」「主要参考文献」は9月会報でお知らせします


# by storia-italiana | 2014-07-06 22:28 | 2014年度
2014年 06月 08日

イタリア近代史研究会6月例会のお知らせ

1)6月例会のお知らせ
*日時:6月14日(土)、15時より
*場所:拓殖大学茗荷谷キャンパス D館206教室
(4月、5月の例会と建物・教室が違います)
*報告者:黒須純一郎会員
*テーマ:私のイタリア経済学史研究
     〜フェッラーラ、ベッカリーア、ガリアーニ〜
*報告の狙い
 ベッカリーアについては,『犯罪と刑罰』モルレ・フランス語版をもとに、すでに多くの研究がなされてきたが、
ミラノ王室学校の官房学講座の教材をまとめた『公共経済学原理』については、本格的研究はなされていない。ましてやベッカリーアの第三の顔となるミラノ公国行政官としての報告等の検討はほとんど手つかずの状態である。
 そのため、彼自身が啓蒙思想の基本文献を放出した事実、かつての盟友P.ヴェッリが、王室政府委員に就任後のベッカリーアは別人に成り果てたと非難した事実によって、『犯罪と刑罰』の啓蒙思想家ベッカリーアは変節したという見解をも生んだ。報告では、ベッカリーアの両著と政府文書の検討によってその真偽を確かめたい。
 ガリアーニは、エイナウディ、シュンペーターなどの紹介によって、それなりの評価を受けて来たが、漠然と「限界効用学派の始祖」として知られているに過ぎない。今回の報告では、『貨幣論』五篇の編別構成を解説することで学説内容を概観し、経済学史上のその先駆的意義と限界を明らかにしたい。
 フェッラーラについては、ジャーナリスト、トリノ大学教授、イタリア王国財務大臣の職責と共に遺された業績を、『フランチェスコ・フェッラーラ全集』全14巻に依拠して概観し、「ウルトラ・リベラル」(シュンペーター)と言われる学説的立場がどうであったか、その経済学的貢献は何であったかを明らかにしたい。
(報告レジュメと参考文献一覧は当日配布します)

2)全国大会の概要が決まりました。会場・時間割・報告内容など詳しいことは、7月会報でお知らせします。
*日時:9月27日(土)13時より、および28日(日)10 時より
*場所:拓殖大学茗荷谷キャンパス
*統一テーマ:ナポレオン時代のイタリア
*報告者:
中村勝己会員(題未定)  27日午後
奥田敬会員 
ルーカ・デ・サムエーレ・カニヤッツィとナポリ啓蒙の黄昏
(仮題) 27日午後
森口京子会員(題未定)    28日午前
小谷眞男会員 法典編纂・
「ローマ法の危機」・”diritto nazionale":
イタリア法文化史におけるナポレオン期の意義・再考
(仮題) 28日午後

7月、8月の例会はありません



# by storia-italiana | 2014-06-08 10:36
2014年 05月 07日

イタリア近現代史研究会5月の予定

    5月例会のお知らせ

(1)5月例会を下記の通り開催します。
日 時:2014年5月17日(土)15:00〜
会 場:拓殖大学茗荷谷キャンパス C館511教室
(東京メトロ丸の内線・茗荷谷駅から徒歩5分。
C館は正門を入って一番奥 の建物です。)
会場案内:http://www.takushoku-u.ac.jp/map/bunkyo/map_b.html

報告者: 平井直子会員 (川崎市民ミュージアム)
題目:ファシズム期建築における「インターナショナル・スタイル」の受容 
 ミラノの<フィジーニの家>を事例として 
<報告のねらい>
イタリアにおいて、近代建築・デザインにおける「モダニズム」の歴史は、アルプス以北から受容するというかたちで展開してきた。1920年代の「インターナショナル・スタイル」も例外ではない。コルビュジエに心酔した20代の若者が、率先して、イタリアにおいて展開していったものである、というのが、一般的な見方であろう。しかしながら、ある様式の受容に際しては、受容する側に何らかの動機や要因がなければ、受容は起こりえないというのは、影響関係を語る際にしばしば言われているとおりである。イタリア側にどのような内発的な理由があ ったのか。本発表ではミラノに建設された《フィジーニの家》をひとつの事例として取り上げ、このことについて検証したい。


(2)  6月例会は以下のとおり開催の予定です。
日 時:2014年6月14日(土)15:00〜
会 場:拓殖大学茗荷谷キャンパスの予定
(東京メトロ丸の内線・茗荷谷駅から徒歩5分)
会場案内:
http://www.takushoku-u.ac.jp/map/bunkyo/map_b.html

報告者: 黒須純一郎氏
題目:私のイタリア経済学史研究
フェッラーラ、ベッカリーア、ガリアーニ 


        



# by storia-italiana | 2014-05-07 23:31 | 2014年度
2014年 04月 07日

4月例会のお知らせ

日 時:2014年4月19日(土)15:00〜
会 場:拓殖大学茗荷谷キャンパス C館511教室
    (東京メトロ丸の内線・茗荷谷駅から徒歩5分。C館は正門を入って一番奥の建物です。)
    会場案内
報告者:濱口 忠大 会員(甲南高等学校・中学校)
題 目:「対抗リソルジメント ――K.ブルックの中北部イタリア関税連合構想――」

【報告要旨】
 本報告の目的は、リソルジメント期のイタリア史について、オーストリアの側から、報告者が長く研究対象としてきた港町トリエステの視点を加味して再解釈することである。特にK.ブルック(オーストリア商相、後に財相)が1850年代に展開したオーストリア-モーデナ-パルマ間の中北部イタリア関税連合構想に焦点を当て、統一国民国家とは異なるイタリア統合の可能性について考察したい。
 19世紀半ばは、ヨーロッパ各地でナショナリズムが台頭するだけでなく、交通機関の飛躍的な発展に伴って各国が国際商業上の新たな優位性を競った時代でもあった。その中でイタリアは、喜望峰に代えてスエズ地峡を経由する交易路への関心の高まりと共に、東方貿易の拠点として改めて注目を集めることになった。だからこそオーストリアとサルデーニャ王国は、北イタリアの支配権以前に、各々の海港都市トリエステとジェノヴァを拠点としたアルプス以北と地中海を結ぶ交通軸の主導権を巡って争うことになった。
 中北部イタリア関税連合は、この競争をトリエステに有利に運ぶと共に、オーストリアとイタリアを結ぶ大規模経済圏の実現によって北イタリアの民族運動を宥和しようとするものでもあった。報告者はこの試みを「対抗リソルジメント」と呼んで、統一国民国家の建設を目指した所謂リソルジメント運動への対案として評価したい。
 併せて注目したいのは、ブルックとカヴールとの間に幾つかの重要な共通項が見出せることである。二人は共に自由主義者を自任していたし、イタリア半島全体というよりも北部に関心を集中していた。そこで本報告では、1850年代のリソルジメントの展開を、穏健派対民主派の図式ではなく、主として北イタリアを舞台に展開された、オーストリア-サルデーニャ間の、自由主義者同士による異なる地域統合モデルの相克関係という視点から描き直すことを試みたい。併せて、「新絶対主義」時代のオーストリアの中欧再編構想におけるイタリアの位置づけも提示できるように努めたい。

【主要参考文献】
史料
1.Giornale del Lloyd Austriaco, Trieste, Tipografia del Lloyd Austriaco, 1836-1848.
2.BRUCK, Karl Ludwig von, Die Aufgaben Österreiches in Charmatz, Richard, Minister Freiherr von Bruck : Der Vorkämpfer Mitteleuropas, Leipzig, Verlag von S. Hirzel, 1916.
3.CAVOUR, Camillo Benso di, Scritti di economia 1835-1850, Milano, Feltrinelli, 1962.
4.REVOLTELLA, Pasquale, La compartecipazione dell'Austria al commercio mondiale : considerazioni e proposte, Trieste, Tipografia del Lloyd austriaco, 1864.

二次文献
5.AGNELLI, Arduino, La genesi dell’idea di Mitteleuropa, Trieste, Mgs Press, 2005.
6.LO GIUDICE, Giuseppe, Karl Ludwig von Bruck : un ministro liberale alla corte degli Asburgo, Udine, Del Bianco, 2010.
7.MARCELLI, Umberto, Cavour diplomatico, Bologna, Arnald Forni Editore, 1961.
8.MELLINATO, Giulio (a cura di), Cavour & Trieste : Percorsi, politica e commerce nel Risorgimento, Trieste, Edizioni Comune di Trieste, 2010.
9.PISCHLER, Rupert, L’economia lombarda e l’Austria : Politica commercial e sviluppo internazionale 1815-1859, Milano, FrancoAngeli, 2001.
10.TONIZZI, Elisabetta M., Cavour e Genova. Economia e politica, Genova, Genova University Press, 2011

# by storia-italiana | 2014-04-07 22:42 | 2014年度
2014年 02月 19日

2013年度全国大会

日 時:2014年3月2日(日)12:30〜18:10
会 場:京都産業大学 むすびわざ館 3-A教室
    (JR・丹波口駅徒歩4分/阪急・大宮駅徒歩7分/京福・四条大宮駅徒歩7分)
    会場案内:http://www.kyoto-su.ac.jp/outline/shisetsu/musubiwaza/access.html

テーマ:「70年代改革」

【プログラム】
12:30~13:00 総会
※総会中にご昼食をお摂りになる方は飲食物をお持ち下さい。

13:00~13:10 趣旨説明
コメンテーター:鈴木 桂樹 会員(熊本大学)

13:10~14:00 芦田 淳 会員(国立国会図書館)「地方分権」
14:00~14:20 コメント・質疑応答
コメンテーター:伊藤 武 会員(専修大学)

14:30~15:20 椎名 規子 会員(拓殖大学)
 「1975年家族法改正の歴史的意義―憲法裁判所判決の推移と離婚法の制定をふまえて―」
15:20~15:40 コメント・質疑応答
コメンテーター:宇田川 妙子 会員(国立民族学博物館)

15:50~16:40 浜井 浩一氏(龍谷大学)「罪を犯した人を排除しないイタリアの挑戦」
16:40~17:00 コメント・質疑応答
コメンテーター:小谷 眞男 会員(お茶の水女子大学)

17:10~18:10 総合討論
コメンテーター:鈴木 桂樹 会員

19:00~21:00頃 懇親会


# by storia-italiana | 2014-02-19 02:19 | 2013年度
2013年 12月 11日

12月例会のお知らせ

日 時:2013年12月26日(木)15:00〜
会 場:早稲田大学 西早稲田キャンパス 55号館N棟・1階・第2会議室
報告者:高橋 進 会員(龍谷大学法学部)
題 目:ムッソリーニとファシズム、その時代

【報告要旨】
はじめに
 21世紀に入り10年を過ぎ、もうすぐ、第一次世界大戦の開始(1914年)とファシズム生誕(1919年)から100年に達しようとしている。これまで、日本でのイタリア・ファシズム研究は、ナチズム研究にはまだまだ及ばないにしても、それなりの蓄積がある。それらをできるだけ踏まえて、このあたりでムッソリーニとイタリア・ファシズムの全体像を構想することを試みたいと考えている。その出発点として、本報告ではナチズムを念頭に置きながら、ムッソリーニとファシズムに関していくつかの論点を提示し、皆さんの議論を喚起し、その議論から学ばしていただきたい。

1、革命家、社会主義者ムッソリーニとそのことのイタリア・ファシズムの思想や体制の内容への影響─ ヒトラーは社会主義者の経験はない。ムッソリーニは社会党の機関誌"Avanti"の編集長で、活動家であった。このことのイタリア・ファシズムの思想の内容への影響を検討したい。私自身は、これまでファシスト・ムッソリーニの形成後しか考察してこなかったことの反省を踏まえて・・・。

2、ファシズム体制の権力構造と政策形成
(1)ファシズム体制の権力構造に関しては、「サブリーダー論」(石田、小山)等によって一定明らかにされてきた。しかし、そのサブリーダーたちの仕事はナチス体制のようなかなり明確な分業体制でもなく、サブリーダーたちは次々と入れ替わり、またその担当分野は変更されている。ファシズムは「近代化」を目指したといわれるが、テクノクラート官僚・政治家は、1930年代のIRI等を除けば、あまり登場してこない。これらのこととファシズムの特徴との関係を考察したい。
(2)1920年代から30年代の初めまでの国家制度の形成や組合問題に関しては、政策形成者や対立関係がかなり論じられてきた。しかし、1930年代後半の政策に関しては、エチオピア戦争や第二次大戦への参戦を除いて、とくに人種法に関しては日本ではその推進者や動機などまだ十分に研究されていない。この点を少しでも検討したい。

おわりに
 ムッソリーニとファシズムをその時代の中に置いてその意味を今一度考察する。


【参考文献】
小山吉亮「ムッソリーニ独裁とサブリーダー」『現代史研究』50号、2004年
石田憲『ファシストの戦争』千倉書房、2011年
石田憲『地中海帝国新ローマ帝国への道』東京大学出版会、1994年
ニコラス・ファレル『ムッソリーニ 上』白水社、2011年
R.J.B. Bosworth, Mussolini, Hodder Arnold, London, 2002.


# by storia-italiana | 2013-12-11 12:11 | 2013年度


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