2015年 07月 08日

7月例会のお知らせ

日時 7月25日(土)午後3時より
場所 専修大学神田キャンパス 7号館8階 784号室
 http://www.senshu-u.ac.jp/univguide/profile/campus.html#map_kanda
報告者  秦泉寺 友紀会員
報告題名 イタリアにおけるシャルリ・エブド事件報道
 ―Il corriere della seraとLa Repubblicaを中心として(仮)―
報告概要 
2015年1月、フランスの風刺週刊新聞シャルリ・エブドの編集部とユダヤ食料品店が相次いで襲撃されたテロ事件は、イタリア社会にも大きな衝撃を与えた。フランスへの哀悼と連帯を示す動きは、各地での追悼集会、Je suis Charlieと記したカードを手にしてのデモンストレーションなど、社会的な広がりを見せた。また、新聞社が標的となったこの事件は、イタリアのメディアでも大々的に報じられた。本報告は、イタリアの代表的新聞2紙(Il corriere della seraとLa Repubblica/印刷部数でイタリア第一位、第二位)の報道を、両紙の相違(風刺画の転載に関する対応)や通底する共通性(「表現の自由」対 テロリズムというフランスで打ち出されたのとは異なった構図)に注目しつつ、イタリアの社会的文脈(1990年代以降受け入れ移民が増加し、ムスリムは人口の3%程度を占めるとみられている)にも照らして検証する。そのことを通し、この事件を契機に浮かび上がる現在のイタリアのイスラム理解の一端に光を当てることをめざしたい。


# by storia-italiana | 2015-07-08 16:28 | 2015年度
2015年 05月 14日

5月例会のお知らせ

5月例会のお知らせ
日時 5月23日(土)午後3時より
場所 専修大学神田キャンパス 5号館3階 スタディラウンジ2・3
http://www.senshu-u.ac.jp/univguide/profile/campus.html#map_kanda

報告者 勝田由美会員
報告題名「19世紀末ミラノにおける非妥協派カトリック運動」(仮)
報告概要 Luisa Osnaghi Dodi, L’azione sociale dei cattolici nel Milanese(1878-1904), 1974, Sugarcoを中心として、ミラノやロンバルディアにおいて、相互扶助組合や農村金庫設立をはかるカトリック非妥協派の運動についての報告です


# by storia-italiana | 2015-05-14 17:00 | 2015年度
2015年 04月 25日

2015年度・年間予定

2015年度の年間予定をお知らせ致します。

月例会
・会場:専修大学・神田校舎
・時間:15時〜18時(変更となる月例会もございます)

4月25日 北村暁夫会員   

5月23日 勝田由美会員

7月25日 秦泉寺友紀会員  

9月26日・27日 全国大会 「第1次世界大戦への参戦」

会場:甲南大学平生記念セミナーハウス 

9月26日(土) 13:00~18:00(予定)
・報告:渋江陽子会員・松本佐保会員 
・総会(1) (会計報告+その他)
・懇親会
9月27日(日) 9:00~16:00
・報告:濱口忠大・藤岡寛己
(昼食)
・総会(2) 13:45〜14:45 全体討論・総会(2)(次期事務局・次期全国大会)


11月14日 小山吉亮会員

12月12日 高橋利安会員

3月26日 霜田洋祐氏

# by storia-italiana | 2015-04-25 16:09 | 2015年度
2015年 04月 17日

イタリア近現代史研究会4月会報

(1)4月例会のお知らせ
日時 4月25日(土)午後3時より
場所 専修大学神田キャンパス 1号館8階 8B会議室

報告者 北村暁夫会員

報告題名「首都ローマの都市改造と文化遺産の保全―自由主義期とファシズム期―」

報告概要
 近代の国民国家形成の過程において、歴史的な文化遺産や都市景観は「国民」の記憶を形作るうえで大きな役割を果たしてきた。1871年にイタリアの首都となったローマの場合もその例外ではない。周知のように、ローマは近代国家の首都にふさわしい外観を備えるために、また、体制のイデオロギーの発露のために、たびたび都市改造の対象とされ、相貌を変えてきた。
 このローマの都市改造をめぐっては、イタリア、英米、日本でこれまで多くの研究がなされてきたが、いずれにおいても研究の初発は建築史家によるものであった。イタリアでは狭義の歴史家による都市ローマの政治、経済をめぐる研究が盛んに行われ、近年では市内交通やモードなど興味深い個別テーマを扱う研究も出されているが、都市改造に関してはいまだに建築史家の独擅場である。これに対し、英米では近年、ファシズム期における都市改造を対象とし、ファシズム政権が古代ローマ帝国の栄光を取り戻すというイデオロギーのもとに、古代の遺産を恣意的に利用してきたことを明らかにする研究が相次いで出されている。だが、英米での研究はファシズム期に集中し、自由主義期に対する関心はいたって希薄である。こうしてみると、藤澤房俊氏による一連の研究は、国民国家形成の文脈でローマの都市改造を分析しているという点で英米の研究に先駆けており、また、自由主義期とファシズム期のいずれも対象としている点で特筆すべきである。
 本報告は、以上のような研究史の状況をふまえたうえで、「文化遺産の保全」という視点を導入することにより、ローマの都市改造について再検討することを目的とする。都市改造を行うことは、既存の建物や街並みの一部を破壊するという行為を必然的に伴う。当時使われていたsventramentoという言葉がそれを如実に物語っている。それゆえ、何を破壊し、何を残すかという選択が常に迫られることになる。イタリアにおいて文化遺産や都市景観の保全についての法的な整備が始まるのは、ファシズム政権末期から第二次世界大戦後にかけてのことであり、自由主義期や1930年代までのファシズム期には文化遺産や都市景観を保全するための具体的なシステムは存在していなかった。だが、統一前から始まっていたテルミニ駅の建設や1878年の国王の死後に始まるヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂の建設などをめぐっては、遺跡保存の観点からさまざまな異議が出されており、自由主義期においても文化遺産の保全という思想は確実に存在していたと思われる。自由主義期およびファシズム期において、ローマの都市改造に対して文化遺産の保全という観点はどれほど意識されていたのか、また多少なりとも意識されていたとすれば、それと都市改造をどのように折り合わせようとしていたのであろうか。
 ローマでは統一から第二次世界大戦までの間に、1873年、1883年、1909年、1930年の4回にわたりマスタープラン(Il piano regolatore)が作成されてきたが、いずれにおいても建築(史)家と並んで、考古学者や美術史家がその策定に関与し、都市改造に大きな影響を与えてきた。そこで、本報告ではとりわけ、こうした考古学者や美術史家たちの発掘業績と著作に着目し、彼らの言説を分析することにより、彼らにとって守るべき文化遺産や都市景観とは何であったのかを考察したい。



(2)2015年度全国大会について

概要が以下のように決まりました。詳しい内容は追ってお知らせします。

日時 9月26日(土)、27日(日)

場所 甲南大学平成記念セミナーハウス 101セミナー室
      (JR住吉駅または阪急御影駅から徒歩7分)

統一テーマ 「第一次世界大戦への参戦」


(3)3月例会の記録
日時・場所 3月28日(土)午後3時 明治大学リバティタワー 1131教室

報告者 徳永俊太会員

報告を終えて
 報告では、拙著『イタリアの歴史教育理論 ―歴史教育と歴史学を結ぶ「探究」―』(法律文化社、2013年)の内容を中心に、イタリアにおける歴史教育 理論には生涯学習とアナール学派の歴史学が影響を与えたことを発表した。合わせて、個々の研究者の理論の相違点にも言及した。
 報告を受けての議論で焦点となったのは、歴史教育研究者たちの政治的な立ち位置である。イタリアの歴史教育研究者がイタリアの歴史学者と距離を取り、フ ランスのアナール学派の理論に依拠して研究を進めてきたことは、これまでも明らかにしてきた。しかし、理論的な違いへの着目だけで、政治的にどのような立 ち位置であるのかという点を明らかにすることができていなかった。歴史教育の理論、特に教育内容に関する理論を構築していく際には、研究者の政治的なスタ ンスが大きく影響するとのご意見をいただいた。合わせて、ファシズムに対する認識、南北問題に対する認識、EUに対する認識が非常に重要になるであろうと の指摘もいただいた。
 今後は教育内容から読み取れる政治的な立ち位置だけではなく、彼らの活動や発言等を検討し、彼らの理論を再考察していきたい。


(4)事務局の交替
2015年4月から、伊藤武、八十田博人の両会員が事務局を担当します。
一年間、会員の皆様からご協力をたまわり、ありがとうございました。
                   (馬場康雄、田島容子、椎名規子)


# by storia-italiana | 2015-04-17 18:55 | 2014年度
2015年 02月 19日

イタリア近現代史研究会2月会報

イタリア近現代史研究会 2015年2月会報
1) 2月例会はありません。
2) 3月例会の予告(3月例会は明治大学イタリア文化研究所との共催です)
報告者  徳永俊太会員
報告題名 イタリアの歴史教育理論 ―イタリア固有の問題に関する再考察―
日時   3月28日(土)午後3時より
場所   明治大学リバティタワー 13F 1131教室
(会場を間違えないようお願いします)
【報告のねらい】
報告では、拙著『イタリアの歴史教育理論 ―歴史教育と歴史学を結ぶ「探究」―』(法律文化社、 2013年)の内容を中心に、戦後のイタリアの歴史教育理論がどのように発展してきたのかを発表する。イタリアにおける歴史教育理論には、生涯学習とアナール学派の歴史学が強い影響をもたらした。そして、理論が発展する過程においては、教科書論、授業論、カリキュラム論といった論点が形成されていった。
報告者は、イタリア社会の動向や学生運動・労働運動なども参照して研究を進めてきたが、まだ不十分な点も多い。会員の皆様の様々な知見を通して、歴史教育理論におけるイタリアらしさを再考察することができれば幸いである。発表は以下の三つの内容を中心に行う。
(i)教育学の理論、生涯学習の理論が及ぼした影響
(ii)研究者間の理論的相違
(iii)教育運動としてカリキュラム試案作成運動
3) 12月例会(2014年)の記録
2014年12月13日 拓殖大学:
【報告を終えて(総括)】 報告者 石田憲会員
ウンベルト・テッラチーニは、制憲議会議長として重要な位置を占めながら、必ずしも充分に研究されてきた人物ではなかった。一方で、議長の役柄から、起草そのものには積極的に関与していなかったため、他の起草者に比べ、扱いが少なく、他方で、共産党から追放された過去のため、共産党史の中でも微妙な位置づけしかされてこなかった。
報告においては、彼の足跡を『オルディネ・ヌオーヴォ』時代、獄中期、オッソラ共和国時代、制憲議会議長時代、冷戦期のスターリン批判期などから、個々のエピソードを中心に紹介した。現在、執筆中の原稿においては、彼が実際に憲法に与えた間接的影響を、それらの経験と各時期に彼が接触した様々な人物、タスカ、グラムシ、トリアッティ、スピネッリ、ティバルディ、ロンゴとの交流などと対比しながら考察している。
憲法起草期における共産党は、法律の専門家を欠き、またトリアッティのソ連と微妙に距離を置く路線の同調者も少なかったため、テッラチーニの政治的役割は、単なる「孤高の共産党員」という位置づけを越えた意味を有していたと考えられる。逆に獄中17年かつ共産党除名という反ファシズム・反全体主義の一貫性から、保守、革新を問わず、彼への信頼は高かったため、左派が閣外に追い出された困難な時期に、憲法を成立までに導くことが可能となったと言えよう。

# by storia-italiana | 2015-02-19 14:32
2014年 12月 10日

イタリア近現代史研究会12月会報

イタリア近現代史研究会12月会報
1)12月例会について
報告者:石田憲会員
日時:12月13日(土)午後三時より 
場所:拓殖大学茗荷谷キャンパス C館510教室
<テーマと報告の狙い>
民主共和国への孤独な判走者 ウンベルト・テッラチーニとその周辺
テッラチーニは、制憲議会議長として、イタリア共和国憲法の第一署名者でありながら、単なる象徴的な「共和国の父」というパンテオンに祭り上げられ、研究が殆どなされてこなかった。共産党からの「除名」を被りながら、「異端派」、「難しく、やっかいな」共産主義者として、党史の中でも、微妙な位置づけがされてきた。この人物を、彼の周辺にいた人々と合わせ考えながら、民主共和国に向かうイタリア現代史の軌跡を示す一例として考察してみたい。本報告では、恐らく時間の関係から、オルディネ・ヌォヴォ・グループ、コミンテルン、オッソラ共和国との関係などを見ながら、憲法制定へと向かっていく過程を検証していく。
(報告の概要と参考文献は例会当日に配布致します)
2)11月例会の記録
日時; 11月22日(土)午後3時より
場所: 拓殖大学茗荷谷キャンパス C館510教室
報告者;柴野均会員 
テーマ;エミリオ・ルッス再論
3)忘年会
日時:12月13日(土)午後5時30分より
場所」イタリア料理店「ラ・クローチェ」茗荷谷駅のすぐそば


# by storia-italiana | 2014-12-10 22:52
2014年 11月 08日

イタリア近現代史研究会11月会報

(1)11月例会のお知らせ
日時; 11月22日(土)午後3時より
場所: 拓殖大学茗荷谷キャンパス C館510教室
報告者;柴野均会員
テーマ;エミリオ・ルッス再論
【報告の狙い・目指すもの】
今年が開戦百周年ということで、第一次世界大戦関係の研究や史料が大量に発表されており、数年はこの状態が続くものと思われる。そうした動きのなかでイタリア戦線の記録としてEmilio Lussu, Un anno sull’Altipianoも新しい英訳が今年刊行されており、第一次世界大戦の古典的な史料として評価も高いようだ。2001年に刊行された拙訳もその後もときおり版を重ね、いまだに絶版にならずに生き残っている。
今から20年ほど前、あの翻訳の作業をしていた頃からルッスについては気になっていて、こういう人物がどのように自己形成を遂げていったのか、それがイタリア現代史の流れのなかでどのように変わっていくのかを考えていた。ルッスに関してはかつて一度論文として取りあげたことがあるが、それをもう少し敷衍しながら論じてみたい。
【報告の概要】
はじめに
1.幼少年期 ー サルデーニャの世界
2.第一次世界大戦 ー 「伝説」の形成
3.サルデーニャ行動党から流刑へ ー 反ファシズムの戦い
4.亡命生活 ー 著作と政治活動
5.戦後のルッス ー 時代と思想

(2)12月例会の予告
日時; 12月13日(土)午後3時より*
場所; 拓殖大学茗荷谷キャンパス C館510教室
報告者;石田憲会員
テーマ;未定
  *研究会終了後に恒例の忘年会を行います。

# by storia-italiana | 2014-11-08 10:24
2014年 10月 06日

イタリア近現代史研究会10月例会

イタリア近現代史研究会 10月会報
(1)9月27・28日の両日、拓殖大学茗荷谷キャンパスで「ナポレオン時代のイタリア」を統一テーマに、2014年度全国大会が開催されました。出席者が50人に迫る盛況でした。報告者が執筆する「報告を終えて」は11月会報に掲載されます。
(2)総会の審議・議決事項
* 27日の総会第1部(出席者は第1セッションと同じ)で事務局から会費未納者の処遇の問題が提起され、とりあえず3年度以上未納(最後の納入が2012年3月かそれより前)でありながら会報を送付されている人を対象に、次のような通知を個別に送ることが決まりました。
① 最後の払い込みがあった年度(あるいは年月日)
② 2015年3月31日までに会費納入がない場合は、2015年4月1日以後の会員資格を失う
③ 納入額は、滞納年数および現在の職に関係なく一律に6,000円とする
④ 上記の納入があった場合、2013年度まで会費が払われたとみなす。
*28日の総会第2部(出席者は第4セッションと同じ)で、2013年度の決算について前事務局の小山会員から資料をもとに報告があり、承認されました。また今年度の予算執行状況について、現事務局の田島会員から説明がありました。
*同じく28日の総会で来年度の全国大会について議論が行われ、本決定ではないものの、大略以下の方向が確認されました。
① 開催地は関西とし、会場は甲南大学を有力候補とする
② 統一テーマとしては、「第一次大戦への参戦(運動)」を有力候補とし、これに次いで「『ルネサンス以後』のフィレンツェ」も候補とする。ただしこれら以外のテーマも引き続き検討する

(3)10月例会のお知らせ
日時;10月18日(土) 午後3時より
会場;明治大学駿河台校舎リバティータワー16階1164号室
【注意!】事情により前回のお知らせから場所が変わりました、ご注意ください。
報告者;辻 昌宏 会員
報告テーマ;プッチーニとヴェルディにおけるリブレットの諸問題ー『ラ・ボエーム』と『リゴレット』を中心に
【報告のねらい】  オペラのリブレット(脚本)自体が近年になってようやく本格的に研究されるようになってきた。オペラのリブレットは何が問題となりうるのか、どんなことが論じられるか。特にヴェルディやプッチーニの場合にはどんな問題があるのかを論じる。
【報告の概要】 リブレットをめぐる問題としては
(1) リブレットがどんな形式で書かれているのか 
(2)リブレッティスタと作曲家がどのようにテクストを改稿しつつ完成させていくのか、両者の関係 
(3)リブレットとスコアの関係 (4)当局による事前のリブレットの検閲の問題などがある。今回の報告では、プッチーニの《ラ・ボエーム》のリブレットの改稿過程と、ヴェルディの《リゴレット》と《仮面舞踏会》における検閲を取り上げ、どういう点が検閲でひっかかり、どう修正したかをたどる。

11月例会のお知らせ
日時;11月22日(土)午後3時より
場所;未定(おそらく拓殖大学茗荷谷キャンパス)
報告者;柴野均会員 報告テーマ;エミリオ・ルッス再論

# by storia-italiana | 2014-10-06 12:31
2014年 09月 15日

イタリア近現代史研究会全国大会

全国大会のご案内を致します。
(1)全国大会の概要
前回の予告から変更された点がありますので、ご注意ください。
最大の変更は、初日の開始時刻が13時30分になったことです。

日時 
9月27日(土)13時30分~17時50分
9月28日(日)10時~16時
場所 拓殖大学 茗荷谷キャンパス (地下鉄丸ノ内線 茗荷谷駅から徒歩5分) 
       F館(国際教育会館)301教室(両日とも)
          http://www.takushoku-u.ac.jp/map/bunkyo.html
プログラム
27日(土) 
13時30分~15時20分 中村勝巳会員
題目; V.アルフィエーリのカトリシズム批判―『専制政治論』(1800-01)を中心に―

【報告の目的】リソルジメントに先駆けるプロト・ロマン主義思想の一事例としてアルフィエーリの政治思想、とりわけ彼のカトリシズム批判を取りあげる。 その際に、ピエロ・ゴベッティ『ヴィットリオ・アルフィエーリの政治哲学』(ゴベッティ出版、1923)とウンベルト・カロッソ『ヴィットリオ・アルフィ エーリのアナーキー』(ラテルツァ出版、1924)など、ファシズム台頭期に登場したアルフィエーリ論を参照して、当時のアルフィエーリの再検討が、リソルジメント史の見直し、ファシズム批判といった1920年代前半の時代的な課題により促されたものであったことを確認する。以上のことを通じて、ナポレオン時代のイタリアとその後の思潮にアルフィエーリが与えた影響について考察する。

15時30分~17時20分 奥田敬会員
題目;〈Economia Civile〉への挽歌―ルーカ・デ・サムエーレ・カニャッツィとナポリ啓蒙

【報告のねらい】 今世紀になって俄に/漸く英語圏でもイタリア(とりわけナポリ)の啓蒙と経済学への関心が高まりつつある。例えば、「経済学 political economy」こそが《国民的コンテクストを超えて》人間の条件の改善に努めたコスモポリタン的な知的・政治的運動としての「啓蒙のアイデンティティの 核心」と捉えるロバートソンは、18世紀半ばのヨーロッパ世界の南北の両端で同時に開幕した双幅の啓蒙に、その模範的な達成を見定めようとする (Robertson, John, The Case for the Enlightenment: Scotland and Naples 1680-1760, Cambridge U.P., 2005)。
また、《19世紀の歴史家たちは、classical “happy” Italian Civil Economyを“wealthy” English Political Economyに対置するのが通例であった》と主張するブルーニは、「市場」での〈交換→効率〉や「政府」による〈再分配→公平〉だけに留まらない、 NGOやNPO等の「第3セクター」に担われる〈互酬性→幸福〉の領域としての「市民社会(結社)」をも包括した〈経済学economia civile〉の再生を呼びかける(Bruni, Luigino, Civil Happiness: Economics and human flourishing in historical perspectives, Routledge, 2006)。だが、ロバートソンは啓蒙の終演については口を濁しがちだし、ブルーニが復権を急ぐ「ジェノヴェージ的伝統」はいささか超歴史的な印象を拭い きれない。PatriotismとCosmopolitanismが背中合わせであった改革の18世紀に誕生した〈啓蒙の経済学〉が、 InternationalismとNationalismが背離してゆく革命の19世紀に「経済学」の啓蒙へと変容する―その転換期がナポレオン時代で はなかろうか。その連続と断絶の両面を一身に体現した人物として―なぜかDavis, John A., Naples and Napoleon: Southern Italy and the European Revolution1780-1860,Oxford U.P., 2006には登場しないのだが―19世紀前半の南イタリアの最大の経済学者とされるカニャッツィに注目したい。

17時30分~17時50分 総会(第1部)
18時~懇親会 「庄屋日本海」 茗荷谷駅改札のすぐそばに、店(地階)への階段があります。
懇親会の出欠を至急、事務局までお送りください。

28日(日)
10時~11時50分 森口京子会員
題目;ナポレオン時代の地方行政
*レジュメ等は当日に配布します

13時~14時50分  小谷眞男会員
題目;”diritto comune”の危機と法律家たち―”diritto penale”言説の検証―

【報告のねらい】 本報告の役回りは、イタリア法文化史の立場からナポレオン期について再考することである。ナポレオン期と言えば、“diritto comune(普通法)の危機“codificazioni(法典編纂)” の時代であり、“diritto nazionale/statale” 観念の生成期ということになろう。実際「イタリア法」とか「ドイツ法」というようなナショナルな観念の形成を考える場合、ナポレオン期が重要なステップであることは疑いない。当時のイタリアでの用語法に即して言うなら “diritto patrio” 言説の勃興である。本報告は、ナポレオン期のイタリア法文化にアプローチするに際して、法典編纂などの実定法の歴史という角度からではなく、この時代を身をもって生きた3人の法律家たちの当時の著述を取り上げ、そこに立ち現れる “diritto patrio” という言説の内実について、とくにローマ法との関係に注意を払いつつ、検証を試みる。
<報告の概要>および<主要参考文献>別途ファイル1点参照(kotanisommario/bibliografia.pdf)
<添付資料>(表2点)
別途ファイル2点参照(kotanicodici.pdf, kotanigiuristi.pdf)

** 森口会員の報告と小谷会員の報告は順番が入れ替わる可能性があります。予めご了承ください。

15時~15時50分 総会(第2部)  

(2)10月例会の予告
日時  10月18日(土) 15時~
場所  拓殖大学茗荷谷キャンパス F館(国際教育会館)301教室
報告者 辻昌宏会員
題目  ヴェルディのオペラ作品のリブレットの諸問題 ―『リゴレット』の検閲を中心に― 

# by storia-italiana | 2014-09-15 10:13
2014年 07月 06日

イタリア近現代史研究会全国大会

全国大会の概要
*統一テーマ:ナポレオン時代のイタリア
*場所:拓殖大学茗荷谷キャンパス
使用する部屋は9月会報でお知らせします

*日時と報告者:
9月27日(土)
13時〜14時50分 中村勝巳会員 「V.アルフィエーリのカトリシズム批判」
15時〜16時50分 奥田敬会員 
「ルーカ・デ・サムエーレ・カニャッツィとナポリ啓蒙の黄昏」
17時〜17時50分 総会
18時〜     懇親会

9月28日(日)
10時〜11時50分 森口京子会員 「ナポレオン時代の地方行政」
13時〜14時50分 小谷眞男会員 「ローマ法の危機とdiritto nazionaleの生成」

 報告題名はいずれも仮題で、変更される場合があります
「報告のねらい」「報告の概要」「主要参考文献」は9月会報でお知らせします


# by storia-italiana | 2014-07-06 22:28 | 2014年度